図10高齢者(87歳)のひとり歩行と支持歩行の筋電図
手押し車を用いて背筋を伸ばすと体前傾に働いていた抗重力筋(膝腫筋、大腿 二頭筋、大殿筋)の放電(1印)が減少・消失し、下肢筋の負担が軽くなる
手押し車を用いて背筋を伸ばすと体前傾に働いていた抗重力筋(膝腫筋、大腿
二頭筋、大殿筋)の放電(1印)が減少・消失し、下肢筋の負担が軽くなる
しかし、高齢者の杖・手押し車等の支持歩行では、不安定さを示す着床前の腓腹筋の強い放電10〕は減少・消失する傾向を示した。また、背すじを伸ばす時、杖・手押し車等を用いると、接床期の間、体前傾に働く抗重力筋である腓腹筋、大腿二頭筋、大殿筋の強い放電は減少・消失し、過剰な筋緊張が解除されることがわかった(図10)。
要するに、筋力やバランスがかなり衰えた高齢者の歩行は、成人歩行よりかなり筋負担が大きいが、杖・手押し車等を用い安定すると、筋負担が軽減されるので、より長く歩くことが可能となるものと思われる。(図11)。
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